MILKY'S WAY

中国語と資格試験と旅行とかについて気の向いたときに書いてます。

HSK6級に合格&その対策

f:id:milkieees:20171017213710p:plain今年の9月に受験したHSK6級で合格点である180点以上を取得することができました。

 

このHSK6級は1級から6級まであるHSK試験のうち最上位級であるため、中国語を学習されている方にとっては一つの節目となる試験といってもいいかと思います。

私も本格的に中国語の勉強を始めた1年半前の大学2年生の始め*1の頃から、「いつかHSK6級に合格してみたいな、だけどいつ取れるかな」などと思いを抱いていたものです。

 

私自身の事情と致しまして、6月に中国語検定(中検)2級を受験し、そこから7月末の大学の定期試験の勉強があり、そして8月の青島でのHSK短期留学があったので、HSKの本格的な対策は8月中旬から行ってきました。なので、この1か月の間でどのようにHSK6級の対策を行なってきたかについてまとめたいと思います。

 

目次

 

 

1 听力 

听力は日本人受験者にとって一番の難関になるかと思います。更にHSK5級と比べて、単語の難しさ、文章の長さの観点(話すスピードはあまり変わらないように思います)に於いてはかなり難易度が上がります。なので听力パートではいかに簡単な問題を拾っていき、難しい文章があったとしてもその中で簡単な問題を拾いにいくかが大事になるかと思います。

 

听力にも第一部分、第二部分、第三部分とありますが、私が思うにこれを難易度順に並び変えると簡単な順に

①第一部分→②第三部分→③第二部分

になるかと思います。

①第一部分は文章もほかに比べて文章の長さがかなり短く、文章に一つに対して設問が一つだけ付与されています。

さらにこの部分の問題が他の部分と大きく違う点はあらかじめ何を聞き取ればよいかということがわかっているということです。つまり他の部分では文章を聞いてその後放送で流れる質問内容を聞き取り設問に答えるという形式ですが、この部分は「聞き取った内容と一致する選択肢を選びなさい(请选出与所听内容一致的一项)」と事前に質問が与えられています。

従って、ここは点数の稼ぎどころです。逆にここで点数が取れないようだと、ほかの部分で点数が取れるのか怪しくなってきます。

②第三部分は一つの文章に対して設問が3~4個付与されている問題で、5級の第二部分の後半部分(一つの文章に対して設問が2~3個付与されている)の問題と形式としてはかなり似ています。

どこが3問問題でどこが4問問題なのか放送を聞く直前までわからないため、事前に選択肢に目を通しておいて、どの選択肢に目を通しながら放送を聞くかをあらかじめあたりをつけておいた方が慌てなくてすみます。

③第二部分は5級の試験にはなかった形式の問題で、2分半程度のインタビューを聞き与えられた5つの設問に答える形を取っています。

この部分は他の2つの部分と比べて1つあたりの文章量がかなり長いため、もし途中で何を言っているのかわからなくなり頭がフリーズしてしまった、といったことが起こった場合に5つの問題を芋づる式に間違える可能性があります。また厄介なことに5つの設問の最後の問題は文章全体を問うような設問(关于男的,可以知道什么?根据对话,下列哪项正确?など)が付与されている場合が多いため、暗記力も問われます。その意味で第二部分が一番難しいかなと思っています。

ただコツはあります。このインタビューは(男、女)のペアが3~6回やりとりを繰り返す形式で、特に4~5回の繰り返しが多いです。従って、例えば:

女:〇〇〇?

男:△△△。←ここに1つめの答えが存在する場合が多い。

女:〇〇〇?

男:△△△。←ここに2つめの答えが存在する場合が多い。

・・・

という感じで、1組のやり取りの中でインタビューをされる側が答えを1つずついうパターンが結構あります。これを意識するだけでも単語だけを聞き取って答えられる問題が多いので試してみてください。

 あと听力パート全体の部分に共通して言えることですが、選択肢に出てくる固有名詞や普段見慣れないような単語にはあらかじめマークしておいたほうが良いです。していないで聞くのより断然理解の仕方が違います。

 

私の具体的な听力の勉強方法は大きく分けて2つあり、

①ディクテーション ②音読・シャドーイングなどの発音練習

をしていました。

①は音源を聞いて、その音を頼りに音を文字化する練習のことです。

HSK6級のリスニングは話すスピードがとても速いので、その速さに負けて何を言っているのかわからなくなる時があります。ディクテーションでは何回も自分のペースで音源を聞くことができるため、自分がその速さに負けて何を言っているのかわからないのか、それとも元から自分の知らない単語がたくさん含まれているからわからないのかがはっきりします。

このディクテーションはリスニング力をつけることができるだけでなくて簡体字を書く練習にもなるので、中国語学習でのディクテーションは他の言語と比べても重要な学習方法だと思っています(他の言語を真面目に勉強したことがないので断言はできませんが)。あと図書館など音読ができない場所でもリスニングの練習ができる点もいいですね。

②は①が終わった文章に対して、行っていました。

特に中国語の文章の音読をとても重要視しています。前まではシャドーイングだけで発音練習を済ませていましたが、ある日自分のシャドーイングの音声を聞いてみると自分がめちゃくちゃな発音・テンポで中国語を発音していることに愕然としました(速い中国語の音声に無理やりついていこうとしていました)。なので近頃は

Ⅰ:中国語のお手本となる音声を一文聞く。

Ⅱ:音声を止めて、それに続いて自分一人で文章を音読する。

Ⅲ:その音読をICレコーダーで録音し、それを聞いて自分が納得するくまで発音・テンポを意識しながら改善する。

Ⅳ:お手本の音声を聞かずともすらすら音読できるようになったらシャドーイング開始。シャドーイングと音読を1回ずつ繰り返す。

という順番で音読とシャドーイングの練習をしています。これはHSKの過去問だけではなくて、聴読中国語などの教材でも取り入れている勉強方法です。

巷ではシャドーイング一強という風潮が散見されますが、それと合わせて音読練習をするのが私の中でのおすすめです。

 

 

2 阅读

阅读パートは日本人が最も得意とするパートで、できればここで点数を稼ぎたいところです。私も例に漏れず中国語を読むことは苦手ではないので、阅读パートはあまり対策をしていません。

5級までは厄介な問題もなくスラスラ解けたという方も少なくないと思いますが、6級では

①第一部分 ②第二部分

の2つの曲者問題が存在します。

①は阅读の中で一番最初にくる、そして一番難しいとされる、誤文を探す問題です。

誤文の種類として、

Ⅰ:文法の誤り

Ⅱ:類義語の使い分け、構文、語法に関する誤り

Ⅲ:文法・語法の点での誤りはないが文章全体の意味を考えた場合に意味が不適切・矛盾が生じる

など様々なパターンがあり、これを勉強すれば点数がいきなり上がるという方法はこのパートではあまり通用しなさそうです。

特に私がこの問題を解くとき、Ⅰの文法の誤りはすぐに見つけられ、Ⅱは単語の知識がなければいくら考えても解くことはできなかったので、点数が取れるとすれば意味を考えれば答えが導き出せるⅢの部分だろう、と思いこの観点に関する問題で点数を稼ぐことを意識していました。具体的には、

ア)動詞のその動作主が一致しているか?

イ)同じ意味の単語が重複して使われていないか?

ex:他不过是个再普通不过的家庭主妇,在24岁时初涉文坛,第一部处女作《哈利波特》几年后轰动了全世界,是他一夜之间就成了家喻户晓的作家。

(第一部と处女作が意味の上で重複している故、どちらかを省く必要がある)

のような点に注目をしつつ解いていました。

あと難しい単語・固有名詞が出てきても、それが直接誤りの原因になることはあまりなくて、もっと素朴な点が誤りになっていることが多いので、単語の難しさに引っ張られないようにするといいと思います。

HSK6級の阅读はかなり時間が足りない中で(自分が文章を読むの遅いだけかもしれませんが、私は5分余ればいいなと思っていました)、この部分は精密さが求められるます。この級を受験される方は既に多読教材などを用いて素早く読む練習をされている方も多々いると思いますが、ここの部分を勉強することで改めて精読の大切さも感じさせられます。私はHSK6級の試験が終わった後もここの部分に特化した問題集

https://www.amazon.cn/%E5%9B%BE%E4%B9%A6/dp/B00JJAHX98

amazon.cnのリンクを載せていますが、東京の東方書店には売っていた気がします(2017年3月時点))

で精読の練習をしています。

②は解き方が分かってないとどこからどう手を付けていいかわからなくてあたふたすることになるので、時間がない人でもここの部分はきちんと対策をしてほしいと思います。逆にここは慣れれば安定して点を取ることができます。

HSK5級阅读第一部分にも似たような問題がありますが、違いは5級が((1つの空欄に対してA~Dまでの4つの選択肢)×3~4問)×4文章なのに対して、6級は(3~4つの空欄に対してA~Dまでの4つの単語の組の選択肢)×10問なこと。つまり6級では、空欄と空欄が完全に独立しているわけではないので、「最初の空欄ではAの選択肢に書いてある単語を選びたいのに、2つ目の選択肢ではBの選択肢に書いてある単語が選びたい」という現象が起こります。

この問題は空欄ごとに難易度が異なることに注意します(私も問題を解いた後に解答解説を読みますが、どうも腑に落ちないような解説があったりします)。従って、この部分の問題に対するアプローチとしては、自分が確信を持って「これは明らかに空欄に入れることはできない」と判断できる簡単な選択肢から消去法で絞り込んでいくことです。この部分で要求される知識は類義語に関する知識が主ですが、単に単語の意味を聞いてくるような空欄(副詞・接続詞・成語などが並んだ空欄で特に目立ちます)もちらほらありますので、その空欄で消去法を使うのが良いでしょう。

この消去法で大体選択肢が2つくらいに残り、場合によってはこの段階で答えが確定する場合があります。残った2つの選択肢を選択するのに「ここの選択肢はこれを使う方がしっくりくる、この語の組み合わせを見たことがある、或いはこれは(熟語の一部分などの理由により)この単語を使う必要がある」などの観点により選択肢を選びます。ここの段階では今まで読んだ・聴いた中国語の量がものを言うと思います。

 

第三部分、第四部分は取り立てて言うべきことはなく普通の問題なので、時間配分にだけ気を付ければよいと思っています。

ですから、解く順番・時間配分としては

第三部分(5分)→第四部分(20分)→第二部分(10分)→第一部分(10分)

が私の中でのテンプレートになっています。

 

 

3 书写

これは10分で文章を読んで(メモを取ることはできない)、35分でその文章の要約を元の文章を見ずに400文字程度で書く問題です。

 1回自分で練習をしてみると分かると思いますが、400字は思っている以上に多く後半になるにつれて内容もだんだん忘れてくるので、途中で字数が足りないと思ってもそこから無理やり字数を稼ぐのは難しく、もし字数を増やそうと思っても下書きをしている時間はありません(と言うよりも下書きする紙がありません)ので、字数が足りないと気づいた段階からの調整となります。また35分も意外と短いと感じるはずです。ですから、35分の間で要約を400字で書くこと自体の練習を何回かすることをお勧めします。その文章は添削してもらうのが勿論いいとは思います(もし添削してもらいたいのであれば、無料でも利用できるLang-8というサイトで添削してもらうのが便利かと思います。勿論ユーザー同士が添削をしあうシステムですので、本当にその添削が正しいかどうかは怪しいです)が、私は別に添削してもらわなくてもいいと思います(これは時間内に文章を書くという練習であって、正しい文章を書く練習と位置付けてはいません)。

また文章は10分間の間に3回くらいは読めるようになるといいと思います。最初からじっくり時間をかけて10分かけて1回文章を読むよりも、何回もストーリを頭の中に通した方が長期的な記憶につながります。とは言いながらも阅读の時のように斜め読みをしているだけだと何を書いてあったか記憶できませんから、5W1H(特にWhoの固有名詞は絶対に暗記する)はもちろんのこと、出来事が起こった因果関係に注意しつつ何回も読むことが出来るようにするのが望ましいです。因果関係に注意して読むことで、文章の中で何が起こったかの出来事が暗記しやすくなりますし、文章を書く際にもただ単に出来事を羅列するよりも整った文章になると思います。

あと5級と同じですが、作文のルールはきちんと守りましょう(段落の初めは2文字空けます)。

 この問題も何かを勉強すれば途端にできるという類の問題ではないので、日ごろから中国語で日記を書く、中国語の文章を暗記するなどして地道に中国語力を上げていくのがいいと思います。

 

 

4 その他・総括

 試験は事前説明含めて全部で150分あり、その間は途中退出はできません。途中で便意を催すとそれだけで気が散ってしまい試験に集中できなくなってしまうので、試験前にはトイレに必ず行くようにしましょう。

 

HSK6級の試験はHSK最上級試験だけあって、オールラウンドな中国語力を試されるようになります。従って日ごろからの中国語学習が重要なのは勿論ですが、とは言え試験は試験なので問題の傾向はあり、その意味で過去問演習はとても重要だと思います。特に、上ですでに述べましたが、阅读の第二部分と书写は時間がない中でも過去問演習すると良いと思います。

過去問・問題集は、日本産のでしたら

中国語検定HSK公式過去問集6級[2015年度版]音声DL付 (中国語検定HSK公式過去問集2015年度版)

が有名ですね。

中国産まで広げてみればもう少しありますが、解説が中国語のみであったり、そもそも解説がなかったり、難易度が本番の試験と少し違っていたりと使いづらいなという印象です。

 

 

 

5 おわりに(自分のことに関する話題)

●この前HSKフェアというものにスタッフとして参加した際、休憩時間に三宅さんのセミナーを聴いていたのですが、6級240点が自分一人で中国語を用いてビジネスできる目安だそうです。私もこのお話を聞いたときは「うわ、240点って高いな」と思いましたが、その2日後に結果が発表され、私の点数は240点にはそう遠くない点数。

最近ようやくまともに中国人の話している中国語を聴けるようになってきましたので、やはり6級240点くらいはビジネスでは必要なのかなとも思っています。

 

●10月の上旬に開催された第35回全日本中国語スピーチコンテスト神奈川大会朗読の部大学生・大学院生の部で最優秀賞を頂きました。現在は1月に開催予定の全国大会に進むための審査が行われているそう(定員は3名)です。興味のある方は聴きに来てくださいね。

 

HSK日本実施委員会の方に頼まれて、HSKの2018年度用の願書(ネットで申し込む方が大半?かと思いますので、願書なんてあるのを知らない人が大半かと思いますが)に自分のインタビューが載るかもしれません。興味のある方は発売されたら見てみてくださいね。

HSK 2017年実施試験受験案内(郵送申込み用願書)

*1:中国語の勉強は大学1年生のころからしていますが、単に第二外国語として単位を取る勉強をしていただけでした。大学1年生の終わりの春休みから単語帳や市販の教材(聴読中国語など)を用いて本格的に中国語の勉強を始めました。